第395章

「古村陽平。今日俺が来たのは、あんたに一つだけ伝えたいことがあるからだ」

「鏡の子どものことだ」

その言葉に、古村陽平と古村彩は同時に息をのむ。揃って顔を上げ、天野尋を見た。天野尋は淡々としていて、まるで自分には何の関わりもないと言わんばかりだ。

実際、関わりなどない。

少し間を置いて、天野尋は古村陽平へ視線を向けた。

「鏡の腹に子どもがいるのは事実だ。だが、俺の子じゃない。そこは安心しろ」

天野尋の子じゃない?

じゃあ、江崎清が――。

古村彩は眉をひそめた。江崎清が信用ならないのは確かだが、さすがに根も葉もない話をでっちあげるとも思えない。

「天野兄さん。今さら、まだ兄を...

ログインして続きを読む