第402章

空港へ向かう車中、古村陽平の携帯が葉山言からの着信を告げた。

せわしない呼び出し音が、こめかみをじくじくと痛ませる。

彼にとって、江崎鏡のこと以外はどうでもいい。放っておける。

「今、手が離せない。会社の用件なら二時間後にしろ」

そう言い捨てて切ろうとした、その瞬間。

葉山言の声が、ありえない言葉を叩きつけてきて、古村陽平の動きが止まった。

「古村社長!」

「いま、情報が入りました!」

「若奥様が、ご懐妊です!」

――妊娠?

――若奥様?

それって、つまり……。

「……お、おい。今なんて言った」

古村陽平は、頭が追いつかなかった。

江崎鏡が妊娠するはずがない。

...

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