第412章

「離婚だ!」

その一言で、古村陽平の目元が一瞬で赤く染まった。

「離婚くらいで何だっていうんだよ、江崎鏡。お前、その言葉を俺に何千回言わせりゃ気が済む? 俺は面の皮が厚い人間じゃない。いい加減、やりすぎだろ」

怒りを押し殺しながら江崎鏡の腕を引き、席に座らせる。そうして職員へ、淡々と言った。

「手続きを急いでくれ。お願いします」

職員も、この二人はもう縁が尽きているのだと察した。これ以上引き延ばせば、本当に何か起きかねない。慌てて二人の書類を集め、手順どおりに進め始める。

「それでは、お二人とも署名をお願いします」

「内容のご確認をお願いします」

「お二人は自発的に離婚され、...

ログインして続きを読む