第414章

高橋さやかの家で、江崎鏡は淡々と昼食を済ませた。

食卓では高橋さやかがずっと天野尋の料理の腕を褒めていたけれど、鏡には正直、味がよく分からなかった。胸の奥がざわついて、別のことばかり考えていたせいかもしれない。

鏡の上の空を察したのだろう。天野尋にも、思い当たる節はあったのだと思う。

食後、食器を片づけると、彼は先に家を出ていった。

高橋さやかは鏡のそばにいて、少しでも気持ちを落ち着かせてやりたかった。あれこれ考え込むより、いまはお腹の子を大事にしなきゃ――そう言って聞かせるつもりで、言葉も頭の中で組み立てていた。

けれど、その用意していた言葉は、鏡にやんわりと退けられる。

「高...

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