第110章

新谷音羽はぶんぶんと首を振った。堰を切ったように涙があふれ出す。

「この子は……私の子なの。わかるの……お腹にいるって。元気なの……」

「叔母様、落ち着いてください! 気のせいとか、そういう話じゃありません!」

蒼井翼は彼女が聞く耳を持たないのを見て、声が強くなる。

「これは科学です。事実なんです!」

「事実……?」

新谷音羽はかすれた笑みを浮かべ、涙で滲む目で翼を見上げた。

「じゃあ、何が事実なの? 蒼井沢言はどこ? 会わせて。これは私とあの人の子よ。どうして一言も言わずに、私に死刑宣告みたいなことができるの……。本人の口から言わせて。私に、直接」

ベッドから降りようともが...

ログインして続きを読む