第118章

「美人ちゃん、何を騒いでんだよ。兄ちゃんたちが遊んでやるって」

金髪の男が下卑た笑みを浮かべ、唐澤心美の頬へ手を伸ばした。

新谷音羽は喉の奥で息を呑み、無理やり冷静さをかき集める。

スマホのロックを弾くように解除し、あらかじめ落としておいた音声データを開いた。音量は最大。

次の瞬間――。

キィィィィン、と耳を裂くようなサイレンが、静まり返った路地にいきなり炸裂した。反響が幾重にも跳ね返り、まるでパトカーが路地口に停まったみたいに迫ってくる。

手を出しかけていたチンピラ三人が、びくっと肩を震わせた。

さっきまでのいやらしい笑いが、一瞬で青ざめた焦りに変わる。

「くそっ、サツだ!...

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