第46章

蒼井沢言はアクセルを踏み抜き、疾風のように街を裂いた。ハンドルを握る手の甲には青筋が浮き、顎の線は鋼のように固い。まとわりつく気圧が低すぎて、空気そのものが凍りつきそうだった。

ほとんど蹴り飛ばす勢いで車を降り、そのまま『クラブ 雅』へなだれ込む。

「ひっ……!」

店長は顔面から血の気を失い、膝が笑っていた。

「蒼井社長……た、田村さんがご予約の個室で……。ええと、ついさっき出られました。新谷さんが飲みすぎたから送っていくって……」

蒼井沢言の瞳の奥で、暴戾が形を持ちかける。声は氷の刃だった。

「彼女の携帯は」

「こ、こちらに……。個室で見つかりまして……」

店長が差し出した...

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