第65章

林翔太は浅田美晴を乱暴に振りほどき、目を血走らせたまま新谷音羽へ突進した。

「音羽、違うんだ、俺はあいつと――」

手を伸ばす。彼女の手首を掴んで、蒼井沢言のそばから引き剥がしたい。奪い返したい。

だが、蒼井沢言の瞳がすっと沈む。

彼は半身をずらし、新谷音羽の前に立った。越えられない山。近づくほど、空気が凍る。

「林翔太。自分が何をしているか、よく考えろ」

「これは俺と音羽の問題だ!」

嫉妬が最後の理性を焼き切った。林翔太は蒼井沢言を押しのけようと手を伸ばし、狂ったように音羽へ迫る。

「音羽、お前はあいつと一緒にいちゃダメだ! お前、あいつのこと何も知らないだろ!」

新谷音羽...

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