第69章

「行かない!」

星野結月は悲鳴みたいに叫んで後ずさりした。涙はさっきよりも勢いを増し、頬を伝って落ちる。

「あなたの中には、もうこの女しかいないの? 私の妹がどうやって死んだか、忘れたの? 妹はあなたを助けるために死んだのよ! あなたがいなければ、あの子は事故になんて遭わなかった!」

声が潰れるほど泣き喚く。糾弾なのか、底なしの痛みと絶望の吐き出しなのか、境目がわからない。

「一生、私のことを面倒見るって約束したじゃない! なのに今は別の女のために、私に会うことすら嫌がる! 妹は――無駄死にだよ! あんな死に方、あまりにも報われない!」

新谷音羽の胸が、ずしりと沈んだ。

これを放...

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