第79章

「小さい頃から今まで……お父さん、私のこと一日でもちゃんと見たことあるの? あの女に家の外へ閉め出されて、雨に打たれて高熱出したとき……あなた、どこにいたの? 必死に取った奨学金を奪われて、あの女の息子のゲーム機に消えたとき……あなたは? あなた、私に金をせびる以外に何ができるの? 父親面する資格なんてない!」

新谷音羽は言葉を重ねるほど昂ぶり、目尻が赤く滲んでいく。けれど声だけは異様なほど澄んでいて、ひとつひとつの言葉が平手打ちみたいに新谷邦夫の頬を叩き、同時に、取り囲む人間の胸にも突き刺さった。

「いい? もう二度と、私を好きに捏ねられる人形みたいに扱わないで。今日から――私、新谷音...

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