第86章

新谷音羽の疑いを聞いた瞬間、支配人は顔から血の気が引き、冷や汗をだらだら流しながら、問題の日の廊下の監視カメラ映像をその場で呼び出した。

――やはり。

新谷音羽がデザイン画を提出する数日前、例の清掃スタッフが彼女の部屋を片づけている最中、隙を見て机の上のスケッチをスマホで素早く撮影していたのだ。

「申し訳ございません、新谷様! 当ホテルの管理上の重大な不手際でございます!」

支配人は真っ青になって頭を下げ続ける。

「すぐに解雇し、警察にも通報いたします!」

「待ってください」

新谷音羽は落ち着いた声で制した。

「私に協力して……一芝居打ってもらえますか」

反論などできるはず...

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