第7章

松野里奈視点

私は額を窓に押し付け、外の通りを雨が激しく叩きつけるのを眺めていた。

二週間。涼真が私の家に住み始めて、いや、私が彼の家に住まわせてもらってから、もう二週間が経つ。時間はあっという間に過ぎていく。彼が仕事から解放される一ヶ月――事故が起こる前に、私たちの新婚旅行のために計画していた一ヶ月が、もうすぐ終わろうとしていた。

そしていつの間にか、私は彼の策略に対して免疫ができていた。

……まあ、ある程度は。

シャツを着ないでのジムトレーニングは、まだ私の思考回路をショートさせるけれど、それでも今はなんとかまともに動けるようになった。お風呂場での『事故』が起きても、も...

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