第280章 跡継ぎ

お母さんの剣幕を見て、誠子もさすがに困り果てた顔をしていた。

彼はお母さんの腕にそっと手を添えながら言う。

「母さんが青山光のこと嫌いなのも、あの人の母親が気に入らないのも分かってるよ。でもさ、今は昔と違うんだし、こっちが少しぐらい譲ってやってもいいんじゃない? こんなに揉めて、兄貴が光を側に置いたまま遺言書書いたり、財産動かしたりしてたらどうするの」

「心配いらないわよ。あんたの兄貴は馬鹿じゃないんだから。昔、あの母子に何をされたか、記憶喪失になったわけでもないんだし、忘れるはずないでしょ。死にかけでもしない限り、そう簡単に財産なんて渡すもんですか」

その点に関して、大奥様は絶対の...

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