第291章 仇敵は細い道で会う

エレベーターはすぐに一階へと到着した。

結局、二人は安田杏里をこの病院へ転院させることに決めた。

ただし、安全を期して極秘事項とし、誰にも漏らさないことにした。

二人が病院の入り口まで歩き、そこで別れようとした矢先、中島の携帯電話が鳴った。

「なっ……何ですと? 大奥様たちが鍵を開けようとしている?」

「いけません、絶対に駄目です……」

西村友紀は傍らでその様子を窺っていた。電話の相手が何を言っているのかは聞こえないが、中島の顔色と口ぶりから、おおよその見当はついた。

中島は険しい表情で電話を切ると、車を出して戻ろうとする。

西村友紀はすかさず彼の腕を掴んだ。

「中島さん、...

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