第293章 義理の娘、お前に発言権はない

車が屋敷の門をくぐろうとするその刹那、車内では青山光と青山雅紀が慌ただしく身なりを整えていた。

鎮然として動じない青山雅紀は、あくまで優雅に、動作もゆったりとしている。

対照的に、青山光の様子は明らかに焦っていた。

彼女はミネラルウォーターを取り出すと、顔を何度も洗い流す。肌に残る紅潮を完全に消し去り、その上から化粧を直していく。

瞬きするほどの短い時間で、青山雅紀は目の前で起きる奇跡を目撃することになった。

先ほどまで頬を染め、潤んだ瞳で艶めかしい表情を見せていた青山光は、今や顔面蒼白で目は赤く腫れ上がり、見るからに薄汚れた哀れな姿へと変貌を遂げていたのである。

彼は親指を立て...

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