第30章 彼女は私と会社へ行く

 翌朝早く、青山光が目を覚ました時、隣にはもう誰もいなかった。

 不思議に思いながら階下へ降りると、小林輝の声が聞こえてきた。「やっぱり心配で、様子を見に来たんだ」

 青山光は唇を尖らせた。

 心配?

 小林輝が自分の体を心配するなんて、信じられるわけがない。もし本当に何か心配事があるとすれば、それは自分が彼の弟探しを手伝うかどうか、それくらいだろう。

 青山雅紀の前では、ずいぶんと体裁を繕うものだ。

 残念ながら、青山雅紀がその気遣いを受け入れるとは限らない。

 彼女がそう思ったところで、青山雅紀の声が響いた。「彼女はもう大丈夫だ」

 青山光は思わず眉を上げた。

 小林輝...

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