第361章 気絶

「あっ」

短剣が青山雅紀の腕を掠める。

青山光は悲鳴を上げ、滴り落ちる鮮血をただ呆然と、涙に濡れた瞳で見つめることしかできなかった。

光が何が起きたのか理解する間もなく、男はすでに雅紀によって制圧されていた。そして——。

バキッ、ボキッ……。

骨の砕ける音が、連続して響き渡る。

雅紀の両脚は動かない。だがその分、両腕の力は常人を遥かに凌駕している。男の手足を容赦なくへし折ると、まるで生ゴミでも捨てるかのように傍らへと放り投げた。

彼は車椅子を走らせて光の元へ行くと、すぐさま彼女をその腕の中に抱き寄せた。

「すまない。遅くなった」

「ううん、あなたが悪いんじゃない。私が油断し...

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