第406章 協力

安田杏里はきっぱりと撥ねつけ、交渉の余地など微塵も残さなかった。

安田大奥様は大きく譲歩した。「承諾さえすれば、一割を渡してもいい。青山光が握っている財産は数十億にも上るのよ。その一部だけでも、一生遊んで暮らせる額だわ」

「それに、あなたのお腹には子供がいるじゃない。その子に豊かな暮らしをさせたいとは思わないの」

急所を突く一言だった。

我が子を愛さない母親などいない。

でなければ、安田杏里とて、娘に不自由ない生活を送らせるためだけに安田大吉へ嫁ぎはしなかったはずだ。

安田杏里は俯いたまま、相変わらずためらっているような素振りをみせる。

安田大奥様はついに痺れを切らした。「西村...

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