第409章 一人も逃げられない

「……ありがとう、あなた」

青山光は青山雅紀の胸に飛び込み、ぽろぽろと涙をこぼした。

泣きたくなんてない。

なのに、止まらない。

堰を切った川みたいに、あとからあとからあふれてくる。

「……憎い。あいつらが。ひとり残らず大っ嫌い」

雪崩が起きる前に、潔白な雪なんて一片もない。

母の死は、あいつら全員が追い詰めた結果だ。だから全員、代償を払ってもらう。ひとりたりとも逃さない。

声を上げて泣き叫び、感情を絞り出すように吐き出してから、彼女はその逞しい胸に顔を埋めたまま、深い眠りに落ちた。

整った小さな顔は涙の筋でぐちゃぐちゃで、眠っているのに長い睫毛はかすかに震え、不安を隠しき...

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