第429章 ある人は、運がいい

子供の世界は無邪気でありながら、同時に残酷でもある。

こどもの日、西村友紀の手に握られていたのは安っぽい駄菓子だけだった。

一方、青山光は母親に連れられ、クラスメイト全員に高級なチョコレートを配り歩いていた。

幼い彼女が、お金の重要性を初めて痛感した瞬間だった。

だからこそ、学校の親子行事で、安田大吉が自分の母親である安田杏里に特別な視線を送っていることに気づいたとき、彼女はすぐさま行動に出た。

自分が足手まといとなって二人の関係にヒビを入れないよう、人前で杏里を母親と呼ぶことすら封印した。

健気に二人の間で橋渡し役を演じ続け、ついには彼らを結ばせることに成功したのだ。

その後...

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