第439章 体の痕跡

  ビリッ。

  布が裂ける嫌な音が、静かな部屋に落ちた。

  青山聡が唇を寄せようとした、その瞬間――動きがぴたりと止まる。

  西村友紀はすっかり雰囲気に呑まれて、自分からキスをしようと顔を上げ……そして、氷のような青山聡の視線と真正面からぶつかり、怯えたように目を泳がせた。

「どうしたの、あなた?」

「おまえの身体にある、その痕……」

  青山聡は、生まれつき記憶力がいい。子どもの頃から、ずっと。

  西村友紀に触れるとき、キスをするとき、いつだって加減には気をつけてきた。服の下に隠れるとはいえ、こんな場所に痕を残すような真似は一度だってしてこなかった。

  なのに――...

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