第482章 特許

青山光の母親の話になると、大島の爺さんの目は、なんとも言えない複雑な色を帯びた。

「……あの頃、お前の母親は本当にいろいろやり過ぎてな。だから国内にはいたくなくなって、こっちに移ってきたんだ。それで……亡くなる少し前に、一度だけ連絡があった」

 遠い昔を語るように、声は淡々としているのに、瞳の奥にはわずかな翳りが宿っている。

 その断片的な説明から、青山光は悟った。もしあの連中が何かを探しているのだとしたら――狙いは、あの特許しかない。

 当時、母は会社の経営になどまるで興味を示さず、学術研究に心血を注いでいた。

 病変の進行を抑える薬の研究。

 その薬は、すでに形になりかけてい...

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