第489章 冷酷

だが、大島璃々という女は極めて聡明だった。幼い頃から己の武器をどう利用すべきか熟知しており、両親の隙を突いて家から逃げ出したのだ。

むろん、その後すぐに連れ戻されたが。

無理やりジジイに嫁がされそうになった時、彼女は容赦なく自身の首元に刃を突き立てた。

その常軌を逸した執念を目の当たりにして、それ以上彼女に結婚を強要する者は一人もいなくなった。

とはいえ、大島璃々は長年実家に対して十分すぎるほど義理を果たしてきた。毎年、数十万円もの仕送りを欠かさなかったのだ。

都会で数十万と言えば大した額ではないが、山奥の寒村において大島家はすでに村一番の富豪となっていた。一族の誰もが、大島璃々と...

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