第499章 不愉快な別れ

 母と娘は物別れに終わり、互いに相手を説得することはできなかった。

 娘の遠ざかる後ろ姿を見つめながら、大奥様はただただ心労を覚えていた。

 帰国して以来、彼女たちは常にギャンブルの借金に頭を悩ませており、少しでも金を稼ごうと毎日金策に奔走していた。

 現在、借金の問題はほぼ片を付けたというのに、この娘ときたら、今度は仕事のことでまた忙しなく動き回っている。

 自分の子どものことは、親が一番よく分かっている。

 中山誠子の母親として、安田大奥様は娘の力量を痛いほど理解していた。

 会社を経営するなどはもってのほか、ちょっとした小遣い稼ぎの投資でさえ、元本も残らないほど大損するのが...

ログインして続きを読む