第515章 安田大奥様の妥協

ここは4階のベランダだ。

落ちれば命を落とすか、よくても一生障害を抱えることになる。

娘がベランダのへりで今にも落ちそうに揺れているのを目の当たりにし、安田大奥様はついに耐えきれず、涙ながらにその場へへたり込んだ。

「自分が何をしているのか、分かっているの!? これはうちの最後の財産なのよ。それに遺言書にもはっきりと書かれているわ。この家は将来あなたのお兄ちゃんに譲るもので、あなたの手に入ることは絶対にないのよ!」

「お母さんも言ったじゃない、この財産は私とは何の関係もないって。だったら、ちょっとくらい利用したっていいでしょ! お母さんの考えは分かってる。多くは望まないわ、ただこの家...

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