第517章 狂った安田杏里

「お母さん、これで満足? 私にはこの家を渡したくなかったくせに、結局あのクズの手に渡っちゃったじゃない。これからどうする気? 霞でも食べて生きていくの? これがあなたにとって最後の財産だったんでしょう。本当に自分勝手なんだから」

中山誠子は言いたいことだけをまくし立てると、きびすを返して部屋を出て行った。

大奥様は息を詰まらせ、ソファにへたり込んだ。遠ざかる娘の後ろ姿を見つめながら、ぽろぽろと涙をこぼす。

ふと冷たい視線を感じて息子に目を向けると、彼女はさらなる悲哀に襲われた。

「私が一体どんな罪を犯したっていうの……。どいつもこいつも、私をこんな風に扱うなんて」

大奥様は自分がひ...

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