第519章 何かがおかしい

夜は更け、世界が静まり返っていた。

一日中働き詰めだった青山光は、ベッドに倒れ込むなり、そのまま意識を手放した。

突然、スマホの着信音がけたたましく鳴り響く。

青山光は反射的に通話を切ろうとして、誤って通話ボタンを押してしまった。

「青山光、今どこにいるの? お願い、すぐ来て。弟が交通事故に遭ったの。今、あなただけが鍼で止血できるのよ」

切羽詰まった声。息も荒く、今にも泣き出しそうだ。

岡本馨だった。

光はベッドから跳ね起き、まだ半分も開いていない目でディスプレイをのぞき込む。

やはり、岡本馨。

光が黙ったままでいると、受話器の向こうの彼女はさらに焦ったようだった。

「こ...

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