第542章 悪夢

昔事が蒸し返された。

青山聡の顔色は、さきほどよりさらに土気色に変わる。

彼はわざとらしく咳払いをしてから口を開いた。

「じゃあ約束してくれ。俺はこの数字を借りたいんだ。お前がこの枠を達成してくれるなら……青山光はお前にくれてやる」

「安心して。金融のことは全部私の采配よ。あなたのコントロールできる範囲の数字を言ってくれれば、こっちでどうとでもするから」

ふたりは、誰もいない廊下をゆっくりと回りながら、密やかに取り引きを交わしていた。

会う時間も場所も、すでに詰めてある。

その背中が遠ざかっていくのを見送りながら、青山雅紀の手はゆっくりと握りしめられ、拳になった指の関節が白く浮...

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