第547章 役に立つ人だ

空っぽの食堂。

お婆さんはひとり、静かに椅子に腰を下ろしていた。濁った瞳には、まるで何の感情も揺らぎもない。ただの他人の話でも聞いているかのような顔。

青山光はぎゅっと目を閉じ、こみ上げてきた涙を力ずくで押し戻す。もう一度目を開けたとき、その視線は氷のように冷たく研ぎ澄まされていた。

「もう分かった。あなたは私のお母さんに、少しも後ろめたさなんて感じてない。全部、自分とは無関係だって思ってる。違う?」

お婆さんはかすれた喉を鳴らし、少し間を置いてから口を開いた。

「あなたのお母さんはね、本当に役に立つ人だったの」

役に立つ人。

この人たちにとって、母は最初から最後まで「便利な人...

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