第563章 惨めな大吉

朝の光が、カーテンの隙間からじわりと差し込んでくる。

 青山光がゆっくりと目を開けると、昨日泣き腫らしたせいでまぶたはぱんぱんに腫れ上がっており、視界はぼやけて何も見えなかった。

 すぐそばで様子を見ていた青山雅紀が、用意しておいた保冷剤をそっと彼女の目元に当てる。

「今日は研究室、休みなさい。今の体調で行くのは無理だ。それか、どうしてもなら午後にしろ」

 光は少し考え、それから小さくうなずいた。

 ただ、その拍子に条件反射のように、青山聡と西村友紀が研究室へ侵入した件が頭をよぎる。

 もっとも、あの日あの二人は中に入っただけで、パソコンのデータ自体にはまったく触れていない。

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