第101章

薄原川人は顔色を沈ませ、眼差しには背筋が凍るような冷たさが宿っていた。周囲の者は誰ひとり近寄れない。そこへ航空会社の支配人が小走りで駆けつける。

顔いっぱいに笑みを貼りつけて言った。

『薄原様。ご来訪に気づかず、先ほどは不行き届きがございました。誠に申し訳ございません』

薄原川人の黒い瞳と目が合った瞬間、支配人の口元がぴくりと固まった。

――ちっ、と心の中で悪態をつく。

『薄原様、ご用件をお伺いしても?』

林原淳が一歩前へ出る。

『失礼。薄原さんが、あるお嬢さんをお探しです』

林原淳は二ノ宮原子の個人資料を差し出した。

支配人は素早くそれを部下へ回し、部下が照会して返答する...

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