第104章

すぐに夜になった。

ルームサービスのノックが響き、二ノ宮原子は扉へ向かって開けた。

ホテルへ戻ってからずっと考えていた。――いったい何が原因で、自分の体内に睡眠薬なんて入ったのか。

ホテルのものは、ほとんど口にしていないはずだ。

扉の向こうに立っていたのは、制服姿のルームサービス係。顔には、貼りつけたようなプロの笑み。

『こんばんは、二ノ宮様。睡眠を促すお飲み物をご用意しております。赤ワインやオレンジジュースなど、いかがでしょうか』

その瞬間、原子の脳裏で何かが閃いた。

昨夜も、ルームサービスだった。

一日ほとんど食べていなかったから、ワインは避けて、オレンジジュースを一本頼...

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