第111章

警察は監視カメラを辿って、きっと自分に行き着く。

そのとき、たとえ潔白でも――言い逃れなんてできない。

どうする。今、どうすればいい?

二ノ宮原子の頭の中を、最悪の結末ばかりが次々とよぎった。

その瞬間、背後から大きな手が口を塞いだ。

『んっ……!』

二ノ宮原子は必死にもがいた。だが、耳元に落ちた声は聞き覚えがある。

『騒ぐな。俺だ』

狂ったように跳ねていた心臓が、すっと落ち着く。二人は身を寄せ合い、路地の角へと退いた。

『どうして来たの? 外の警察に見つかった?』

薄原川人は両手で二ノ宮原子の頬を包み、唇に短く口づける。

『心配するな。余計なことは聞くな。……もうすぐ...

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