第117章

背後からクラスメイトも追いついてきた。

『二ノ宮原子、何見てたの?』

二ノ宮原子は内心で小さく息を吐く。

『別に。ほら、授業行こ』

授業中。二ノ宮原子は窓際の席でぼんやりしていた。隣の子は雑誌をめくっている。

『はぁ~……私が本原家の娘だったら、どれだけ勝ち組なんだろ』

『本原家?』

二ノ宮原子が首をかしげると、クラスメイトは目を輝かせ、雑誌を抱えてこちらへ寄ってきた。ページの上、謎めいたシルエットを指で叩く。

『これこれ。世界でいちばん謎で、いちばん金持ちって噂の一族。薄原家より格上なんだって』

薄原家より――。

二ノ宮原子は思わず考え込む。薄原家は各国の王室と友人みた...

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