第118章

『着けば分かる』

その一言で、二ノ宮原子の言葉は喉元で止まった。訳も分からないまま、彼女は薄原川人に連れられて、あるブティックへと足を踏み入れる。

店内には客どころか店員の姿すらない。だが、寸土寸金の一等地に、これほど広い店舗を構えられる時点で――この店がただの服屋でないことは明らかだった。

『いきなりどうしてここに? 私、新しい服ならまだたくさんあるけど』

薄原川人は二ノ宮原子の肩を抱いたまま、当然のように奥へ進む。

『お前が持ってるかどうかは、お前の都合だ。俺が新しいのを贈るのは、俺の都合だ』

そのとき、奥から一人の女が現れた。

やけに洗練された装い。二ノ宮原子は、その顔に...

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