第18章

二ノ宮原子は周囲の警備員たちを氷のような目で一瞥すると、いったん両手を車椅子の背に戻した。次の瞬間、片手を空け、白いスモークボムを放り投げる。

もくもくと白煙が広がり、視界が塗りつぶされた。

――やがて煙が晴れたとき。

さっきまで人だかりの中にいたはずの二ノ宮原子と小春の姿が、まるで奇跡みたいに消えていた。

鈴原梅子はそれを見て、ようやく息を吐く。

スタッフに合図し、大スクリーンの映像をすべて落とさせると、二ノ宮薫子の前に置かれていたマイクをひったくるように手に取った。

「記者の皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございます。薫子は少し休憩をいただきます。先ほど流れた映像につ...

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