第21章

二ノ宮原子は頬を赤らめた。トイレに行くのにも、大崎に付き添われるなんて。

薄原川人は、どれだけ彼女を信用していないのだろう。

本当は行きたくなかった。けれどそんな扱いをされたせいで、意地になって行かざるを得なくなる。

手を洗いながら、鏡の中の自分を見た。

アーモンド形の瞳は、もともと綺麗だ。

――なのに今は、やり場のない無力感でいっぱいだった。

(薄原川人……いつか絶対、堂々とここを出てやる)

心の中で吐き捨てた瞬間、ドアの外から大崎の声がした。

「二ノ宮さん、そろそろお時間です。先生がお待ちになってしまいます」

二ノ宮原子が出ていくと、薄原川人の姿がない。

大崎に視線を...

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