第39章

佐藤詩音が鈴原そらの前に現れた。今日の彼女は、淡いピンク地に白い花柄が散ったワンピース。小動物みたいに愛らしく、年相応の無邪気さがある。

登場した瞬間、周囲の視線を一身に集めた。

一方で、今日の二ノ宮原子は控えめな黒のキャミソールワンピース。全身から漂うのは、気だるさと得体の知れない気配。

覗き込みたくなるのに、どこか怖い。

「鈴原さん、すごい偶然です。車を降りたらすぐ鈴原さんが見えて……以前、鈴原家のパーティーで一度お会いしましたよね。あのとき、私のこと『すごく綺麗』って褒めてくださって」

鈴原そらは「ああ」とだけ返した。礼儀は整っているのに、温度がない。

だが佐藤詩音は気づか...

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