第41章

「安心して。たとえ海外にいても、いつでも連絡は取れるよ。この時期が過ぎたら、ちゃんと戻ってくる。……そのとき、また連絡するから」

陸田運は名残惜しそうに、こくりとうなずいた。

胸の奥はまだ離れがたかった。けれど、これが二ノ宮原子にとっていちばんいい選択だと、彼には分かっていた。

空港のアナウンスが流れる。二ノ宮原子は手の中の搭乗券を一度見て、身軽なバックパックを肩にかけ、歩き出した。

その途中――するりと、搭乗券とパスポートが手から落ちた。

しゃがみ込み、パスポートに指をかけた瞬間。

目の前に現れたのは、黒い革靴のつま先だった。

視線を上げる。まっすぐで、やけに力強い長い脚。さ...

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