第45章

そのころ――寝室の外。

本来なら部屋で眠っているはずの黄前美弥が、音を殺して廊下へ出た。

薄原川人と二ノ宮原子が同じ部屋に入っていくのを、彼女はこの目で見ている。あれからずいぶん経つのに、二人はまだ出てこない。扉の隙間からは灯りまで漏れていた。

黄前美弥の目に、どろりと嫉妬が満ちる。今すぐ扉をこじ開けて、二ノ宮原子を髪の毛ごと引きずり出してやりたい。

――あんな女が、どうして薄原川人を手にできる?

薄原川人は、私のものなのに。

翌朝。

二ノ宮原子が目を覚まして階下へ降り、トーストを一枚つかんで口に運ぼうとした、そのとき。

黄前美弥がリビングに現れた。

「まだいたの? 図々し...

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