第61章

薄原川人はソファに寝転んだまま、仰向けに天井を眺めていた。そうして何気ない顔で、一つの情報を落とす。

「明日は商会の投票日だ。今夜は俺と一緒にパーティーへ出る。あとで専門の人間を呼ぶ。お前をきちんと仕立てさせる」

薄原川人の言う「専門の人間」は、ほどなくして梅苑にやって来た。

彼らが梅苑を訪れるのは、これが初めてだった。これまで薄原さんの連れの女性たちは、みな店のほうへ来て身支度を整えていた。わざわざ自分たちが屋敷へ呼ばれるなど、この一人だけだ。

それは栄誉でもあったし、同時に、これから会う「二ノ宮さん」への興味もかき立てられた。

男女二人が別荘へ足を踏み入れた瞬間、そろって息を呑...

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