第68章

大崎のひと言で、二ノ宮原子の居たたまれなさと羞恥はさらに増し、いっそ布団を頭からかぶってしまいたい気分になった。

大崎は勘違いに気づくと、慌てて部屋を出ていく。

薄原川人はスープをひと匙すくい、二ノ宮原子の唇元へ運んだ。

『楽しそうだな?』

二ノ宮原子の口元に浮かんでいた笑みが、すっと消える。

さっきまでの冷えた表情に戻った。

『別に。ただ、大崎が可愛いと思っただけ。あなたには関係ない』

薄原川人は匙を下ろし、二ノ宮原子へ身を寄せる。親指の指輪が、妙にきらりと光った。

『俺に関係あるなんて言ってないが? ……さっきまで俺のこと考えてたのか?』

二ノ宮原子はこれ以上絡むつもり...

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