第87章

二ノ宮正樹は喉が焼けるように痛み、二ノ宮原子が顔を寄せて聞き取ろうとした。

鼻を突く、腐ったような悪臭。

『寝言を言うな』

二ノ宮原子がくすっと笑う。

『寝言? いいよ。今みたいに強がれる勇気、ずっと持っていられるといいね』

二ノ宮原子はスマホを構え、何枚も写真を撮った。どの一枚も、二ノ宮正樹は目も当てられないほど惨めだった。

『ま、これで十分。もうすぐ林原涼子が大画面で、あなたのこのザマを見ることになる。……そのとき、彼女は自分から出てくると思う?』

二ノ宮原子は、狡猾な子狐みたいに笑った。

眉をきゅっと吊り上げた表情が、妙に愛嬌まである。

薄原川人の視線はずっと二ノ宮原...

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