第91章

「俺がやることに、お前のご指導が必要だとでも?」

周防美根子のまぶたが、ぴくりと跳ねた。

「いえ、川人さん。そういう意味では……」

「じゃあ、どういう意味だ」

周防美根子の顔色が鉄みたいに青くなる。そこでようやく気づいた。最初から、薄原川人は彼女をからかっていたのだ。

最初から最後まで、相手にすらしていない。

全部――二ノ宮原子のせい。

二ノ宮原子さえいなければ、川人の前で恥をかくこともなかった。

川人と対立することもなかったのに。

「川人さん、私は本当に、そんなつもりじゃ……あなた……」

「林原淳。こいつを外へ放り出せ。それと、別荘を消毒だ。徹底的に」

「消毒」という...

ログインして続きを読む