第101章

少年は振り返って稲子を見ると、またべーっと舌を出して挑発した。

『おまえんち、パクリじゃん。そんなやつと競争なんかしねーし!』

稲子の目がみるみる赤くなる。

『ママはパクってないもん!』

『してるって! ネットに書いてあった! おまえのママ、ほかの人の作品パクった悪い人だって!』

少年は調子に乗って声を張り上げた。

『それにおまえ、パパいないじゃん。そんなママといたら、ぜったい悪い子になる!』

その一言は刃物みたいに、稲子の胸のいちばん柔らかいところへ突き刺さった。

ぽろっ、と。

堪えきれなかった涙が、頬を伝って落ちる。

江原安美の表情が、すとんと落ちた。底まで冷えるよう...

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