第110章

『きゃあ――!』

その悲鳴はやけに耳に刺さり、まだ眠っていた江原父も江原母も叩き起こした。

江原母は上着を羽織ったまま部屋から飛び出し、江原父も後ろから続く。二人がリビングに駆け込むと、そこには川崎佑哉が立っていた。江原父の顔がみるみる黒くなる。

『なんでお前がここにいる?』江原父が詰め寄った。

川崎佑哉が口を開きかけた、その瞬間――江原安美が慌てて彼の前に立ちはだかる。

『お父さん、聞いて。説明するから――』

『お前が説明するな』江原父は川崎佑哉を睨みつけた。『本人に口はついてないのか?』

江原母の顔色もよくない。けれど何も言わず、ただ江原安美を見つめる。その目には「許せない...

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