第120章

陸田明広はうなずき、笑いながらエンジンをかけた。

『まさか、俺が君に嘘つくとでも? シートベルトして。行くぞ』

『うん』

さっきまで江原安美はシートベルトを締めようとしていたのに、その一言に面食らって、結局まだ留められていなかった。

その日、周防岩人は出張から戻ったばかりで、空港で江原安美と陸田明広の姿を見つけた。

二人は並んで立ち、向かいには中年の夫婦がいる。

周防岩人は眉をつり上げ、スマホを取り出して写真を一枚。まず川崎佑哉にメッセージを送った。

【川崎様、誰を見たと思います?】

すぐに返信が来る。

【江原安美?】

周防岩人は口を尖らせた。

【なんで分かるんです?】...

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