第121章

雨脚はますます強まり、傘は風に煽られてぐらぐらと頼りなく揺れた。

次の瞬間、川崎佑哉が彼女の手から傘を乱暴に引きはがし、脇へ放り投げる。続けざまに後頭部を掴まれ、江原安美は逃げる間もなく引き寄せられた。

そして――唇が重なる。

力任せのキスだった。雨のしょっぱさが舌に混じり、煙草の匂いが息の奥まで入り込んでくる。

安美は呆然として、すぐに我に返ると両手で胸を押した。

けれど佑哉の腕は鉄みたいに固く、抱きしめる力も、口づけの深さも、拒む余地を与えない。

雨が二人の肩を叩き、あっという間に服の中まで冷たく濡らしていく。

安美は堪えきれず、思いきり噛みついた。

「っ……!」

佑哉...

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