第124章

数日が過ぎてからというもの、江原安美は毎日、稲子を連れて川崎佑哉の見舞いに来ていた。

川崎佑哉の回復は早く、もうベッドを降りて歩けるほどだ。

その日の午後。安美と稲子が病室へ入ると、佑哉は窓際の椅子に腰掛け、本を読んでいた。

「川崎おじさん!」

稲子がぱたぱたと駆け寄る。

「きょうは、よくなった?」

「だいぶな」

佑哉は本を閉じ、稲子を抱き上げた。

「稲子も、きょうおじさんに会いたかったか?」

「会いたかった!」

稲子は首にぎゅっと腕を回し、得意げに言う。

「川崎おじさん、プレゼント持ってきたの」

「プレゼント?」

稲子はポケットから一枚の絵を取り出し、佑哉へ差し出...

ログインして続きを読む