第128章

川崎の実家を出ると、鈴村千雪は車に乗り込んだ。

シートに沈み、窓の外を眺めているうちに、顔の筋がじわじわと歪んでいく。

川崎の爺さんは、端金ひとつで自分を追い払えると思っているのか。

――寝言も大概にしろ。

あの程度の金と、株の価値が釣り合うはずがない。

千雪はスマホを取り出し、ある釣りアカウントに短く送った。

『準備しとけ』

翌朝早く。鈴村千雪はネットに一本の動画を投稿した。

映像の中で彼女はビルの屋上に立っている。風が強く、髪も服もぐしゃぐしゃに煽られていた。

『みなさん、こんにちは。鈴村千雪です』

風に声がさらわれ、言葉がふわりと揺れる。

『今日は、どうしても話し...

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